まことの技倆の持ち主の手におさまるならば。

前回の投稿から少し時間がかかりました。
3月年度末だし、少し早い春休みをとったというのもあるのだけれど、
ウクライナ侵略やら大地震やら停電危機やら彼の国のICBM級発射やら、
いろいろと考えさせられることが多かったここ1ヶ月です。
(105兆円の今年度予算についてもいろいろ言いたいがそれはまた別の機会に。)

で、TVのニュースを見て、いつも気になっていることを今更書きますが。
皆さんももう気にならないくらいスルー状態なのかもしれませんが、
よく見かける政府のコメントについて。

「総力を挙げて対応する」
「毅然と対応する」
「誠に遺憾である」
「最大級の言葉で非難する」
「緊張感を持って注視する」
「要請する」

まだまだあるが、ニュースで発信されるたび、
「で?」とニュースに自然と悪態をついてしまう自分がいる。

上2つはまだいい。「対応する」と言ってるのだから。
それにしてもその「対応」とは、

どんなものなのだろうか?
どれだけの数があるのだろうか?
いつもとどう違うのだろうか?

中3つに関しては、

言うだけなの?
見てるだけなの?

最後に関しては、

要請。。。お願いですか?国民の善意に訴え頼むだけで、政府は対応しないんですか?

そう思ってしまうのである。
無論、ニュースの時間がそれほど長いわけでもないので、
発表されてはいるけれど我々の耳には届いていないだけかもしれないし、
我々が入念に調べればもっといろいろわかるのかもしれないけれど。

生じている問題について、ちゃんとやりますやってますと、
「口だけ」なんじゃないの?
と、どうしても思ってしまうのである。
リアルタイムや緊急的な発信は、行き過ぎや間違いや揚げ足を取られる可能性も高いわけで、
踏み込んだ発言や発信は権限や権力が強くなればなるほど難しくデリケートであることは
十分に承知しているつもりだが、それにしても、、、、

定型的すぎる。
心がこもってない。

発信してる政治家はともかく、お役人の方々は学のある優秀な安定高給の国家の選民なのだから、
その場を凌ぐためのやっつけ仕事ではなく、
国民に寄り添う、国民目線でどこまで言うか、どういうふうに言うかと
都度都度熟慮、思案して欲しいものであsる。
政治家も特にそれがわかっているなら自分の今後の人気にも繋がるのだから
役人にもっと発信する文章の注文をつけるべきだと思うのである。

総力を上げた、毅然とした対応というのは、
「おぉ。頑張ってる。そこまで考え、そこまで行動するのか。強い。さすが我らの政府。」
と国民的には感心させて欲しいのである。
言ってるだけじゃん、とか、またこんな感じなの?、ではツラいのである。

遺憾砲関連にしてもそうである。アクションを伴わない発信でも最初のうちは効くかもしれないが、
口で言ってるだけでは何の良い変化も反応も生まれないと思うのである。
むしろ「お前なんかキライだ」なんてことを何度も何度も発信したとしたら
相手は身構えるし準備する。先制パンチはお見舞いできなくなる。仲直りもしにくくなる。
言ってるだけで「いざ」となっても行動せず日和ってしまうのであれば、新喜劇でしかない。

要請という「お願い」にしてもそうである。
コロナの制限などで見られるように、説明不足・発信不足な中で法的強制力を設定せず、
ペナルティ(罰則)やインセンティブ(代償)を示さずに、
国の都合、政府の都合を「お願い」され、応じなければ非国民扱いされても、、、
正直困るのである。
確かに、日本人は善良で優しい人が多いのでそれでも
ある程度何とかなってしまう部分もあるのだけれど。
それって政府のアクションとして対応不足そのものなのでは。
こんなにわけわからん予算使い潰しているのに。。。
(本当に必要なお金を使っていない、当事者意識が二歩足りない、という意味です。
予算のそれぞれが不必要なのではなく使い方が杜撰だったり計画が甘かったり
誰かが懐を温かくしていることが問題なのです。。。)

ということで、自分の思うところをまとめると、
対応するなら「真剣に、具体的に、口を挟む余地がないほどに。」
発信するだけなら、「言わないか最低限発信にとどめ具体的アクションを水面化で計画・推進・実行する」もしくは「口だけでも効果が大きく出るようにする」
要請には、「説明を尽くし、心を込めて理解を求めつつ、ペナルティやインセンティブを伴わせる」

というのが自分が求める、信頼される施政やリーダーへの期待の姿なのです。

「まことの技倆の持ち主の手におさまるならば」ペンは剣よりも強し。
Calamus Gladio Fortior!

(大いなる蛇足。発信の妙についてゼレンスキー大統領からもっと学ぶべきだとすら思う。
氏について欲を言えば、自分が見てないだけかもしれませんが、
ウクライナ国民に対して「頑張ってるが自分の力及ばずを詫びつつ」というのであれば
最強のカリスマ大統領だと思うのである。
ロシアのウクライナ侵攻はまだ続いている状況ですし、
一刻も早くの停戦を自分も望みますし、
人道的にもあってはならないと当然強く思っていますが、
この戦争は(たとえ降伏したり完全占領されたりしようと)
「1日目にしてウクライナの勝ち確定」、です。
ロシアはロシアの、プーチン大統領の、理屈の正否を問わず、
世界からの目線で数百年この咎を引きずることになってしまいました。。。)

 

(2022/03/28 奥山記)

 

参考:
wikipedia:ペンは剣よりも強し
https://ja.wikipedia.org/wiki/ペンは剣よりも強し

 

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5件のコメント

  1. 投稿ありがとうございます。
    今回は、自分の事を言われている様でグサッときました。
    でも、対策まで導いていただけるので有難いです。

  2. ブログ、ありがとうございます!
    「まことの技倆の持ち主の手におさまるならば」
    少しの失言や行き過ぎがあっても
    国民は何かを感じ取って心を預けるのだろうと思いました。
    日本の経済の立て直しにも、そういった方が就いてほしいです。

  3. 学のある優秀な方々が
    その優秀さを
    周りから突っ込まれないためだけに全力で使う場面を見ていると
    とても残念に思います。
    優秀ではない私は
    ゼレンスキーさんが今持てるものをすべて使っている姿を心に留めながら
    改めたいと思いました。

  4. ペンは剣よりも強し。
    この部分だけが有名ですが、全文を知ることが重要ですね。

    少年を大志を抱け
    天は人の上に人を造らず
    英国は各員がその義務を尽くすことを期待する

    このあたりの言葉も、言葉が語られた全体を理解することで味わい深くなりますね。

  5. 国や行政レベルでの話でもそうですが、平素日常的に「しっかりと発言しているようで、その実、中身の伴わない物言い」があふれているなぁ、と。特にビジネスシーンにおいては…
    わたし自身振り返りながら、そうした物言いに頼ってしまうことのないよう自戒せねば、と感じました。

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