「分配」について。

新しい時の首相とは懇談会などの会食で二度ほど隣席でお話しさせていただいた経験がある。
個人的には好き。が、それはともかく、今日はその方が唱える新資本主義における「分配」の件。

まず「手に入れるもの」があって、それを権限者が「分配」する。
誰から手に入れるのか?誰に分配するのか?

まず分配される人々、介護・育児をやっている方を中心に、、、。これはわかる。
では誰から手に入れるのか?
ここが問題。
現在の議論では金融所得課税を強化する、とのことなのだが。。。

既に10年強前にキャピタルゲイン課税は20%になっており、
(それ以前は、バブル崩壊後、特例の期限付きだが期限付きで毎年延長、10%にとどめられていた。。。
証券業協会はこれを海外に揃え5%にしようと陳情を続けていた10年ちょっと前の時代があった。
力ずくで20%に戻され、その免罪符と雀の涙受け取ったのが現在のNISA制度の入り口である。)

お金の動きは良くすることはあっても、政治は触らない方が良い。
規制緩和ではなく規制強化であり、市場の力を削ぐことになる。
マーケットオリエンテッドで市場ありき、市場活性化ありきの中での歳入増を図らなければ、それはお役人の机上の空論になってしまう。(タバコ税あげたらタバコからの税金が増えるというのと同じ考え。辞める人が相当にいるので結果としてはニワトリタマゴ。だったら酒税をもっと強化すればいいのに。。。ロビーが強いんだろうな。。。。)

話を戻すと、資本市場のお金の動きを縛ってしまうと、血液が回らなくなり、途端に経済は動かなくなってしまう。

新しい出資も鈍るし、企業の資金調達も難しくなる。

眠り資金に課税をすることは賛成であるが、活動している資金の課税を強化するべきではない。

詰まるところまず選挙で勝つためのバラマキ発言としての所得倍増で、具体的方策と財源の目処が見えていない。
(でも続いちゃうんだろうな。耳障りいいし。)

分配というのは公平に行われるべきだよ。
(資産家ではなく)高所得者がバンバン税金取られてるのに、なおさら税金あげるなんて。
もっと不労所得手に入れてる資産家からしっかり税金とれよ。と思うのです。

「頑張って」お金を手に入れた人、からたくさん取り、「頑張ってない人」に分配するのはいかがなものかと思うのです。頑張っている人の給料がアンバランスなのであればそこは是正するべきだと思うのですが。
人材派遣会社や転職会社が国に癒着し、個人所得を半分もぎ取り、大手を振って歩いてることをまず是正するべきじゃあないのかな。。。これじゃあ戦前の口入屋の近代合法版じゃないか。

いずれにせよ、分配する為にはどこかから「もぎ取る」必要があり、そこは必ずハレーションを起こします。その話をヌキにして共感母数の多そうなところに気持ちいい話ばかりするのは
いかがなものか、と思う次第。メディアもそういうところ、しっかり明暗を報道して欲しいものです。

(2021/10/9 奥山記)

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